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石油備蓄基地とCCS施設の視察
昨日、北海道苫小牧市に出向き、石油備蓄基地とCCS施設の視察しました。
先ず、国家石油備蓄基地を視察しました。
苫小牧には、国家石油備蓄基地と北海道石油共同備蓄基地の二つの巨大な石油備蓄基地があります。二つの基地の総容量は約1000万kℓになり、国内最大の備蓄基地エリアです。国内消費量で換算すると、二つあわせて1月弱の備蓄量になります。
今回の視察では、特に危機管理についてお話を伺いました。平成30年北海道胆振東部地震では基地内でも震度6強を記録しましたが、ほとんど損害がなかったとのことです。また、万が一の火災に備えた大容量泡放射砲システムも拝見させていただきましたが、とても大規模な消火設備が準備されていて感心致しました。
また、昨今では新型コロナの感染対策にも力を入れておられ、事務所建屋内のゾーニングや、アルコール消毒の随所への設置など、対策を徹底されている様子が伺えました。
日本は石油の99.8%を海外からの輸入に頼っており、石油の備蓄は国家の危機管理として非常に重要です。このように大変重い役割を担う設備が、非常に高い危機管理意識で運営されていることが確認でき、安心するとともに、感服いたしました。
次に、同じく苫小牧のCCS実証施設を拝見いたしました。CCSは、Carbon dioxide(二酸化炭素) Capture(回収) Storage(貯蓄)の意味で、二酸化炭素を回収、圧縮して、地下に埋めてしまうという技術です。これが本格的に実現すれば、菅内閣が目指す2050年カーボンニュートラル実現の切り札になります。
苫小牧の実証設備では、沖合の海底まで斜めに穴を掘って二酸化炭素を貯蓄しています。また、大都市部の近接エリアでCCS技術を活用した、世界初の設備となっています。私も2020年10月のJapan-Asia CCUS Forumで経済産業大臣政務官として世界に向けて発信させていただきましたが、国際的にも高い評価を受けています。
本実証の実現にご尽力された岩倉苫小牧市長にもお越しいただき、気候変動という世界的課題に、苫小牧市が技術で貢献するという高い志をお伺いすることができました。
今回の苫小牧視察では、石油備蓄という国家的な危機管理と、CCSという気候変動対策の革新技術を学ぶことができました。この経験を活かして責任あるエネルギー政策の遂行に引き続き全力で取り組んでまいります。